本サイトにはプロモーション(広告)が含まれています

Wordの「トランスクリプト」で文字起こしレビュー:日本語に対応、アップロードは月300分まで。1文書に残せる文字起こしは1つだけ

Wordの「トランスクリプト」で文字起こしレビュー:日本語に対応、アップロードは月300分まで。1文書に残せる文字起こしは1つだけ
目次

会議の録音を文字にしたいだけなら、新しいサービスを契約しなくても、Microsoft 365のWordですでに足りるかもしれません。Wordの「ディクテーション」のメニューの中に、録音やアップロードした音声を文字に変える「トランスクリプト」が入っています。[1] ただ、公式のサポートページを最後まで読むと、月に使える時間、使えるアプリ、1つの文書に残せる数に、思ったより細かい線が引かれていました。2026年10月21日に確認したMicrosoft公式のページだけを根拠に、会議の議事録に使えるかを整理します。実際の会議で精度を測った記事ではありません。

入口は、WordのディクテーションとOneNote

使い方は短く書けます。Wordの「ホーム」から「ディクテーション」のドロップダウンを開き、「トランスクリプト」を選びます。開いた「トランスクリプト」のウィンドウで、「録音の開始」か「オーディオのアップロード」を選びます。[1]

同じ機能がOneNoteにもあります。OneNoteでは「ホーム」の「その他のコマンド」から「トランスクリプト」を開き、録音しながら手書きのメモを取ると、再生のときに手書きも音声と同期して動く、と説明されています。[1] この記事では、議事録の下書きを作る入口としてWordを中心に見ます。

最初に気をつけたいのは、どの環境で使えるかです。ページの注記には、この機能は現在、商用テナントのWindows上のWord for Microsoft 365でのみ使える、と書かれています。政府機関テナントの文字起こしは、Web版のWordでのみ使える、という但し書きもあります。[1] Web版のWordでは、新しいMicrosoft EdgeかChromeでMicrosoft 365にサインインしている必要があり、インターネット接続も要ります。[1] MacのWordで使えるかどうかは、確認したページでは触れられていません。

日本語は、対応ロケールに入っています

対応言語のところに、「80以上のロケール」と書かれ、日本語(日本)が並んでいます。英語は米国、英国、オーストラリアなど、中国語は標準語(簡体字)、台湾標準語、広東語(繁体字)、ほかに韓国語、フランス語、ドイツ語などです。[1] 日本語の会議を録るという用途で、言語を理由に外れる心配は、書かれている範囲ではありません。

一方で、日本語と英語が混ざる会議がどう扱われるかは、公式の説明にありません。言語を選ぶ操作についても、このページには手順が出てきません。実際に試すときは、日本語だけの会議と、英語の用語が混ざる会議を分けて短く録ってみるのが安全です。

録るか、持っているファイルをアップロードするか

文字にする方法は2つです。[1]

  • Wordの中で録音する。録音中は、ディクテーションと同じように、ページには文字が出ません。「保存してトランスクリプトを作成する」を押すと、録音がOneDriveに保存されて、文字起こしが始まります。
  • 録音済みのファイルをアップロードする。対応している形式は、.wav、.mp4、.m4a、.mp3の4つです。

録音のしかたには、公式の注意書きがあります。パソコンのマイク入力が前回使ったヘッドセットのままだと、対面会議の声を拾えません。Windowsのサウンド設定で使うマイクを確認してください、とあります。[1] 逆に、オンライン会議を録ってトランスクリプトにするときは、ヘッドセットを使わないように、とも書かれています。録音がパソコンから出る音声を拾えるようにするためです。[1] つまりオンライン会議は、スピーカーから出た相手の声をマイクで拾う使い方が前提のように読めます。Zoom、Teams、Meetの会議の音を、アプリの側から直接取り込む方法は、このページにはありません。

文字起こしには時間もかかります。ファイルの長さくらいまでかかることがあり、処理中は「トランスクリプト」のウィンドウを開いたままにしておく必要があります。他の作業をしたり、ブラウザーのタブやアプリを切り替えたりするのは、かまわないそうです。[1] 会議の直後に急いで読みたいときは、この待ち時間を見込んでおきたいところです。

録り方そのものを見直したいときは、文字起こしが荒いときに見直す録音の5条件が使えます。録音ファイルを後からサービスに渡す場合の上限は、アップロード上限の比較にまとめています。

月300分という数字を、先に見ておく

いちばん先に見たい数字はこれです。ページの注記によると、Microsoft 365のサブスクリプションを持つユーザーは、アップロードした音声を1か月あたり最大300分まで文字にできます。Microsoft Copilotのライセンスを持つユーザーは、最大30,000分です。[1]

300分は5時間です。1時間の定例会議なら、月に5本。毎週の会議を録り続けると、1か月で使い切ります。上限を超えたときの動き、月の区切り、組織ごとの管理者設定の有無は、確認したページでは触れられていません。

細かい点がもうひとつあります。この上限は「アップロードされた音声」について書かれています。Wordで直接録音した音声が、同じ300分に数えられるかどうかは、このページからは判断できません。また、1本のファイルの長さや容量の上限も、見当たりませんでした。大事な会議で使う前に、短い録音で試して、組織のMicrosoft 365で何分まで通るかを確かめてください。

話者は分かれる。名前は「Speaker 1」から

文字起こしの結果は、話者ごとに区切られます。「Speaker 1」「Speaker 2」のようなラベルが付き、ラベルを編集すると、同じ話者の出てきた場所をまとめて書き換えられます。[1] 会話のまとまりごとにタイムスタンプがあり、タイムスタンプを選ぶと、その部分の音声を再生できます。再生速度は2倍まで上げられます。[1]

見直しの流れは、次のとおりです。

  • 区切りの上にマウスを置き、「トランスクリプト セクションを編集」を選ぶ
  • 聞き間違いを直す。話者の名前を直すときは「すべての話者の変更」を使う
  • 「確認」を押して変更を保存する

話者ラベルは、誰が誰か分からない形で出てきます。参加者の名前に直す作業は、人の手で進めることになりそうです。何人まで分けられるのか、似た声の人を取り違えにくいのかは、公式の説明では触れられていません。ずれたときの考え方は、話者名がずれたときの直し方が参考になります。

文書に入れるときの決まり

Wordの文字起こしは、ディクテーションとは違って、自動では文書に入りません。「トランスクリプト」のウィンドウから、気になる区切りだけを選んで入れることも、「すべてをドキュメントに追加」で全体を入れることもできます。[1]

ここに、見落としやすい決まりがあります。

  • トランスクリプトは、削除するまで、その文書に結びついたまま残る[1]
  • 1つの文書に入れておける文字起こしは、1つだけ[1]
  • 同じ文書で新しい文字起こしを作ると、今ある文字起こしは削除される。すでに文書へ追加した区切りは、文書に残るが、「トランスクリプト」のウィンドウには出なくなる[1]

つまり、毎週の定例会議を1つのWord文書に積み上げるやり方は、そのままでは向きません。会議ごとに文書を分けるか、全体を文書に追加してから次の会議に進む運用になります。議事録を「正本」として1か所に置く考え方は、AI議事録が複数残ったときの正本の決め方で整理しています。

共有と、録音ファイルの置き場所

録音とアップロードしたファイルは、OneDriveの「トランスクリプトされたファイル」フォルダーに保存され、そこから名前の変更や削除ができます。[1] 共有のしかたは2つです。[1]

  • 「すべてをドキュメントに追加」で全文を通常のテキストにして、Wordの文書を共有する。文書の中には、音声ファイルへのリンクが入る
  • Wordの文書をそのまま共有する。受け取った人は「トランスクリプト」のウィンドウから文字起こしを見られる

ただし、プライバシーを守るため、文書を共有されただけの人は、既定では音声を再生できません。再生できるようにするには、OneDriveの音声ファイルも、同じ相手に別に共有する必要があります。[1] 議事録だけを渡して、録音は渡したくない場面には合います。逆に、聞き直せるようにして渡したいときは、共有の手間が増えます。

保存の面では、音声がOneDriveに残るので、消し忘れに注意が必要です。保存の期間をどう決めるかは、AI議事録の保存期間の決め方が使えます。

データの扱いは、接続エクスペリエンスの設定にかかわる

トランスクリプトは、Officeのインテリジェント サービスのひとつで、クラウドの機能を使います。デスクトップ版のWordで動かすには、オプションの接続エクスペリエンスが必要です。[1] 音声ファイルはMicrosoftに送られ、サービスの提供だけに使われます。文字起こしが終わると、音声と結果はMicrosoftのサービスには保存されない、と説明されています。[1]

接続エクスペリエンスは、WordやExcelの「ファイル」→「アカウント」→「設定の管理」から、種類ごとにオンとオフを切り替えられます。[2] 会社のパソコンでこの設定が制限されていると、「トランスクリプト」自体が使えない可能性があります。ボタンが見えないときは、アクティブなMicrosoft 365のサブスクリプションでサインインしているかを確かめるように、とも書かれています。[1] 手元に録音が残るOneDriveと、Microsoft側で保存しない音声の扱いは、別の話です。社内で使う前に、情報システムの担当者に、どの設定で運用するかを聞いておくと安心です。

良い点

ここが強い

  • すでに使っているWordの中で、録音から文字起こし、文書への取り込みまで進む[1]
  • 日本語が、80以上のロケールの中に入っている[1]
  • 話者ごとに区切られ、タイムスタンプから音声を聞き直せる。再生は2倍速まで[1]
  • 区切りを直しながら、必要な部分だけを文書に入れられる[1]
  • 手元のファイルをアップロードでき、形式は.wav、.mp4、.m4a、.mp3に対応している[1]
  • 文書だけを共有して、音声の再生を既定では渡さない運用にできる[1]

確認したい点

ここは確認を

  • デスクトップ版は商用テナントのWindows上のWord for Microsoft 365で使える。Web版はEdgeかChromeが前提で、インターネット接続も要る[1]
  • アップロードできる音声は、Microsoft 365のサブスクリプションで1か月あたり最大300分。Copilotのライセンスで30,000分[1]
  • Wordで直接録音した分が、同じ300分に数えられるかは確認できていない
  • 1つの文書に入れておける文字起こしは1つだけ。新しく作ると、今のものは消える[1]
  • 話者のラベルは「Speaker 1」のような名前で出る。参加者の名前への置き換えは手作業になる[1]
  • 会議のアプリ(Zoom、Teams、Meet)から音声を直接取り込む手順は、このページにはない。オンライン会議はマイクで拾う使い方が前提のように読める[1]
  • 要約、決定事項やタスクの抽出についての説明は、確認したページにない
  • 日本語の精度を示す数字、日英が混ざる会議での動きは、確認した範囲にない

向いている人

  • Microsoft 365のWordを毎日使っていて、議事録の下書きをWordの中で書き始めたい人
  • 録音済みのファイルが数本あり、月に5時間以内で足りる人
  • 面談や取材のように、少人数の会話を録って、あとから聞き直しながら直したい人
  • 要約までは求めず、まず文字だけを手元に置きたい人

毎週の定例会議を長く蓄積したい人、要約や決定事項の抽出までツールに任せたい人は、専用のサービスを検討する段階です。見比べるときは、AI議事録ツール5選の比較が使えます。会議アプリの中で完結する選択肢は、Teamsのインテリジェント要約のレビューやZoom My Notesのレビューにあります。スマートフォン標準アプリで録る場合は、Pixelのレコーダー、Galaxyのボイスレコーダー、iPhoneのメモとボイスメモも比べられます。

試すなら、実際の会議の10分を1本

まずは社内の定例会議のような、実際の会議から10分だけ切り出して試すのがおすすめです。次の順番で進められます。

  1. Wordで「ホーム」→「ディクテーション」→「トランスクリプト」が出るか確かめる。出なければ、サインインしているMicrosoft 365のサブスクリプションと、接続エクスペリエンスの設定を見る
  2. パソコンのマイク入力が、会議室で使うマイクになっているか確認する
  3. 会議の冒頭で、録音することを伝える
  4. 机の中央にパソコンを置き、10分ほど録る。オンライン会議なら、ヘッドセットを外して試す
  5. 「保存してトランスクリプトを作成する」を押し、「トランスクリプト」のウィンドウを開いたまま、終わるまでの時間を測る
  6. 金額、日付、社名、人名が、正しく文字になっているかを見る
  7. 話者が分かれているか、ラベルを「Speaker 1」から名前に直す手間がどれくらいかを見る
  8. 「すべてをドキュメントに追加」で全文を入れ、Word上での読みやすさを見る
  9. OneDriveの「トランスクリプトされたファイル」フォルダーに音声が残っているかを見て、不要なら削除する

録音のアナウンスの例文は録音アナウンスの例文に、固有名詞が崩れたときの対処は辞書登録で直す方法にあります。観点をトライアル評価シートに合わせると、ほかのツールと並べやすくなります。

分かれ目は、月に何分使うかと、文字のあとの仕事です。月5時間までで、文字をWordに入れて直すところまでが仕事なら、すでに契約しているMicrosoft 365で足ります。毎週の会議を蓄積したい、決定事項まで自動で拾いたいという段階になったら、専用のサービスを比べてください。

Sources

[1] https://support.microsoft.com/ja-jp/word/transcribe-your-recordings — レコーディングの文字起こし(Microsoft サポート、2026-10-21 確認) [2] https://support.microsoft.com/ja-jp/office/office-%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89-%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9-8d2c04f7-6428-4e6e-ac58-5828d4da5b7c — Microsoft 365 のコネクテッド エクスペリエンス(Microsoft サポート、2026-10-21 確認)

この記事をシェア