Tactiqレビュー:ボットを出さずにブラウザで議事録を残せるか
目次
金曜の定例で、見積もりの数字だけが自分のメモから抜けていた。参加者一覧に議事録ボット(会議へ自動参加する記録用プログラム)を足すのは避けたい。その代わりに、自分が開いているブラウザから文字起こしを取るのがTactiqです。
Tactiqは、Google Meet、Zoom、Microsoft Teamsの会議を、参加者として別のボットを入れずに文字起こしするAIノートです。製品ページは、ライブの文字起こしと要約、話者識別、60以上の言語を掲げています。FAQは、音声そのものは録音も保存もせず、文字起こしをテキストとして残すと説明しています。[1]
本記事は2026年9月26日に確認したTactiqの製品ページとヘルプに基づきます。料金、無料枠、対応言語、デスクトップアプリの範囲は変わるため、契約前に本文の公式リンクから最新条件を確認してください。同じ音声で精度を実測した比較ではありません。
ブラウザ拡張とMacアプリは別物です
中心になるのは、ChromeまたはEdgeの拡張機能(ブラウザに機能を追加するプログラム)です。Zoomのヘルプは、ブラウザから文字起こしし、会議へ別参加者として何も入らないと書いています。Google Meetでは、字幕ボタンをオンにしなくても文字起こしが始まります。[6][7]
ChromeかEdgeで会議に入る
↓
拡張機能が文字起こしを開始する
↓
チャット通知が出るかを、開始直後に確認する
↓
会議後に要約を1回作り、クレジットの減りを見る
↓
金額、担当、期限を文字起こしへ戻して確認する
Zoomだけは、ブラウザに入っただけでは足りないことがあります。主催者側でAutomated captions(自動字幕)を有効にし、会議中にShow captions(字幕を表示)を出す必要があります。ヘルプは、この自動字幕が多くのアカウントで初期状態オフだと書いています。拡張機能はZoomデスクトップアプリの中では動きません。[6]
macOSには、Zoomデスクトップ向けのMacアプリ(Beta:試用段階)があります。マイクと、画面・システム音声の許可が必要です。Teamsのデスクトップアプリも、別のMacアプリ記事では文字起こしできると案内されています。ブラウザ拡張のTeams記事は、デスクトップアプリ非対応のままです。同じ製品でも、どのアプリで入ったかで手順が分かれます。[8][11][12]
製品ページは音声を保存しないと説明しています。Macアプリは、その説明とは別に、端末の音声へのアクセスを求めています。保存されないことと、音声へアクセスしないことは別です。審査では両方を見てください。[1][11]
良い点
ここが強い
- ブラウザ拡張なら、参加者一覧にボットを追加しない[1][6]
- Google Meet、Zoom、Teamsの言語一覧に日本語がある[3]
- 無料でも月10件の文字起こしと、月5のAIクレジットを試せる[4][5]
- 1つの会議に対するAI操作は、何回聞いてもAIクレジット1ですむ[5]
- AIクレジットを使い切っても、文字起こし自体は止まらない[5]
通知を消せる有料設定は、私は利点には数えません。無料プランでチャット通知を消せない点は、あとで別にして見ます。[9]
料金はドル建て、日本円は決済画面で見る
ヘルプの料金表は米ドルです。年払いは年間分を前払いし、表示は1ユーザーあたりの月額換算です。席(ユーザー1人分の利用権)は人数分必要で、1ライセンスをチームで回す前提ではありません。[2]
| プラン | 年払いの月額換算 | 月払い | 文字起こし | AIクレジット |
|---|---|---|---|---|
| Free | $0 | $0 | 月10件 | 月5 |
| Pro | $8/ユーザー | $12/ユーザー | 無制限 | 月10 |
| Team | $16.67/ユーザー | $20/ユーザー | 無制限 | 無制限 |
| Business | $29.16/ユーザー | $40/ユーザー | 無制限 | 無制限 |
| Enterprise | 個別 | 個別 | 無制限 | 無制限 |
Businessは20ユーザー以上、Enterpriseは200ユーザー以上向けと料金表にあります。カード決済では日本円を含む現地通貨表示があり、対象通貨にJPYが入っています。PayPalは現地通貨に対応せず、USD表示です。円の支払額は、この表のドルを自分で換算せず、自分のアカウントの決済画面で確認してください。[2]
AIクレジットの追加購入は、Proではできません。無制限にするにはTeam以上へ上げる、とヘルプは書いています。[5]
無料枠は「10件」と「5クレジット」の二段です
文字起こし用のミーティングクレジット(会議1件あたりの利用枠)と、要約用のAIクレジット(AI処理の利用量の単位)は別です。無料アカウントは、毎月10クレジットです。5分未満の会議は文字起こしクレジットを使いません。未使用分は翌月へ繰り越さず、更新日に10へ戻ります。[4]
使い切ったあとも、新しい会議の取り込み自体は続くことがあります。ただし文字起こしはプレビュー(一部しか見られない状態)扱いになり、全文の閲覧、検索、AI機能は使えません。別の文字起こしをアーカイブ(一覧から隠して保管する操作)してクレジットを戻しても、すでにプレビューになった記録は開き直せません。有料プランへ上げると、そのプレビュー分も全文へ戻ります。[4]
アーカイブで戻したクレジットは、次の会議に使えます。アーカイブした文字起こしは、復元しなければ30日で削除されます。[4]
AI側は、1会議につき最大1クレジットです。ライブ中に質問し、終了後に要約とアクション項目を続けて作っても、同じ会議なら1のままです。会議が違えば、その数だけ減ります。未使用のAIクレジットも繰り越しません。[5]
短い接続テストだけでは、5分未満としてクレジットが減らないことがあります。評価するなら、普段の会議に近い長さで1本取り、固有名詞と数字が文字起こしに残るかを見てください。観点はAI議事録ツールのトライアル評価シートに合わせられます。
会議ツールごとに、字幕と話者名の条件が違います
ここは確認を
- Zoomは自動字幕がオフだと文字起こしが始まらない。デスクトップアプリ内では拡張機能が動かない[6]
- Teamsのブラウザ拡張はデスクトップアプリ非対応。ライト会議ではライブ字幕と発言言語の一致が必要になる[8]
- 話者名は、Teamsでは各参加者の「Automatically identify me in live captions」(ライブ字幕で自分を自動識別する設定)に依存する[8]
- 文字起こし言語は1つだけで、日英が混ざっても自動では切り替わらない[3]
- 製品ページは60以上、言語ヘルプは30以上と書き、一覧は会議ツールごとに違う[1][3]
- 無料プランではチャット通知を無効にできない。有料プランでは無効にできる[9]
Google Meetは、デスクトップかノートPCのChromeまたはEdgeで使い、会議から退出すると文字起こしが止まります。字幕ボタンは不要です。[7]
Zoomで試すなら、参加画面でブラウザから入ってください。主催者が自分でない場合、字幕ボタンが無いことがあります。そのときはRequest Captionsで主催者へ頼む、とヘルプは案内しています。[6]
Teamsは、Chrome、Edge、またはTeamsのPWA(ブラウザをアプリのように使う方式)です。アドレスに/light-meetings/が含まれる会議(ブラウザ向けの軽量版)では、ライブ字幕と発言言語を合わせないと文字起こしが不安定になります。話者欄がSpeaker 1のままなら、Tactiq側ではなくTeamsの字幕設定を先に見てください。自分の名前を出す設定は、参加者それぞれが持っています。[8]
言語ヘルプの一覧では、Google MeetにJapanese、TeamsにJapanese (Japan)、ZoomにJapaneseがあります。選択した言語と実際の発言がずれると、文字起こしが欠けるか不正確になると注意書きがあります。[3]
通知を消せることは、導入理由にしない
文字起こしは、自分の画面にだけ出ます。相手の画面には、こちらがチャットへ知らせない限り出ません。[1]
無料プランでは、そのチャット通知は常時オンで、オフにできません。ProまたはTeamに上げると、Disabled(無効)にできます。毎回聞く設定もあります。制限時間内に選ばないと、既定の通知が送られます。[9]
ヘルプに出ている例文は、記事によって違います。設定をオンにしたときの一文は「Tactiq is being used to transcribe and take meeting notes.」です。別のヘルプは「Hi everyone, this is an automated message to let you know my Tactiq extension is transcribing this meeting for me so I can give my full attention to you.」を既定文として載せています。契約前に、自分の設定画面に出る文面を確認してください。[9][15]
Enterpriseでは、管理者がチーム全体へ通知を強制できます。個人のオフ設定より優先され、有効なあいだ利用者は消せません。文面は差し替えられますが、Tactiqのリンクは自動で付き、削除できません。[14]
通知を消せる設定があっても、録音と文字起こしの同意を省略できるわけではありません。開始前に伝える内容は、目的、保存先、閲覧者、止め方の4点で足ります。短い文面が必要なら、AI議事録の録音アナウンス例文を会議のチャットに合わせて調整してください。
要約の学習利用と、保存期間の切れ目
要約に使うモデルについて、ヘルプはMicrosoft Azure OpenAI(Microsoft経由で企業向けに提供されるOpenAIのモデル)の企業向けAPI(外部からAIを呼び出す窓口)だと説明し、ChatGPTそのものではないと書いています。提出したデータはモデルの学習や改善には使わない、コンテンツのログも無効にしている、という説明です。削除は、アーカイブして30日待つ、またはアーカイブから手動で消す、の二通りです。[10]
製品ページは、ISO 27001(情報セキュリティ管理の国際規格)、SOC 2 Type II(外部監査によるセキュリティ認証)、GDPR(EUの個人データ保護規則)、HIPAA(米国の医療情報保護法)への対応を掲げています。認証の範囲と、どのプランで契約上の条項が付くかは、Trust Center(セキュリティ情報の公開ページ)と見積もりで別途確認する前提です。[1]
保存期間を管理画面から決められるのは、BusinessとEnterpriseの管理者です。カスタム期間は6か月から60か月で、起算は作成日ではなく最終更新日です。今日編集した文字起こしは、6か月設定でも今日から6か月残ります。アーカイブ後は30日の復元期間があり、それを過ぎると戻せません。[13]
音声ファイルを会議のあとで聞き返す用途には、このツール単体は向きません。製品ページが音声を保存しないと書いている以上、数字の確認先は文字起こしのテキストです。[1]
向いているチーム
- 参加者一覧にボットを出したくないが、Meetかブラウザ参加のZoom、Teamsを使っている人
- まず月10件で、自分の会議の固有名詞と数字が残るかを見たい人
- 要約を何パターンも作るより、1会議につき1回のAI処理で足りる人
- 無料のあいだは、チャット通知が必ず出る運用を受け入れられるチーム
反対に、WindowsのZoomデスクトップやTeamsデスクトップだけで会議に入る人は、拡張機能の対象外です。MacアプリはmacOS限定で、Zoom側はBetaです。[6][11][12]
ボットを出したくない別の選択肢としては、端末側で記録するGranolaがあります。ボット参加も選べる英語寄りの定番はOtter.aiです。会議ツール側の標準機能から外したくない場合は、Zoom My NotesとGoogle Meetの「メモを取る」を先に見てください。
試すなら、Meetの社内定例を1本
機密性の低い社内定例を1本選び、次の順で見ます。
- ChromeまたはEdgeに拡張機能を入れ、Google Meetで参加します。字幕ボタンは押さなくて構いません。[7]
- 開始直後に、チャットへ通知が出たか、文面が社内の説明と合うかを確認します。[9]
- ウィジェット(会議画面に出る操作パネル)の言語を日本語にし、金額、担当者、社名が文字起こしに残るかを見ます。[3]
- 終了後に要約を1回だけ作り、AIクレジットが1減ったかを請求画面で確認します。[5]
- 決定事項は要約だけで確定せず、文字起こしの該当行へ戻します。
Tactiqの価値は、ボットがいないことだけでは測れません。自分が使っている参加方法で文字起こしが始まり、相手に記録中だと伝わり、数字を元の発言へ戻せるかまで通して初めて分かります。
Sources
[1] https://tactiq.io — Tactiq: AI Note Taker for Google Meet, Zoom & Teams [2] https://help.tactiq.io/en/articles/8649126-how-to-choose-the-right-tactiq-plan-and-pricing — How to choose the right Tactiq plan and pricing [3] https://help.tactiq.io/en/articles/8627989-what-languages-does-tactiq-support — What languages does Tactiq support? [4] https://help.tactiq.io/en/articles/9530978-what-are-meeting-credits — What are meeting credits? [5] https://help.tactiq.io/en/articles/9514873-how-tactiq-ai-credits-work — How Tactiq AI credits work [6] https://help.tactiq.io/en/articles/9530151-how-to-use-tactiq-with-zoom — How to use Tactiq with Zoom [7] https://help.tactiq.io/en/articles/9535734-how-to-use-tactiq-with-google-meet-meetings — How to use Tactiq with Google Meet meetings [8] https://help.tactiq.io/en/articles/9560779-how-to-use-tactiq-with-microsoft-teams-meetings — How to use Tactiq with Microsoft Teams meetings [9] https://help.tactiq.io/en/articles/8580644-how-to-turn-off-automated-chat-notification — How to turn off automated chat notification [10] https://help.tactiq.io/en/articles/7907775-large-language-models-gpt-openai-privacy-and-tactiq — Large Language Models, GPT, OpenAI, Privacy and Tactiq [11] https://help.tactiq.io/en/articles/14684433-how-to-install-the-tactiq-mac-app-for-zoom-desktop-meetings — How to install the Tactiq Mac app for Zoom Desktop meetings [12] https://help.tactiq.io/en/articles/16552911-how-to-install-the-tactiq-mac-app-for-ms-teams-desktop-meeting — How to install the Tactiq Mac app for MS Teams desktop meeting [13] https://help.tactiq.io/en/articles/9058818-how-to-configure-data-retention-rules-for-your-team — How to configure data retention rules for your team [14] https://help.tactiq.io/en/articles/13768358-manage-in-meeting-transcription-notifications-for-your-team — Manage In-Meeting Transcription Notifications for Your Team [15] https://help.tactiq.io/en/articles/5446775-how-to-notify-meeting-attendees-you-re-transcribing-with-tactiq — How to notify meeting attendees you’re transcribing with Tactiq