Gemini Notebook(旧NotebookLM)レビュー:会議の録音ファイルを日本語の議事録に使えるか
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Zoomの録画が1本、パソコンに残っている。議事録を頼まれたものの、AI議事録ツールを新しく契約するほどでもない。そんなとき、すでにGoogleアカウントを持っているなら、候補に挙がるのが Gemini Notebook です。2026年7月16日に NotebookLM から名前が変わりましたが、公式は「同じ単独のプロダクト」と説明しています。[7]
録音ファイルを放り込めば、日本語でも文字起こしして質問できるのか。本記事は、2026年10月13日に確認したGoogle公式のヘルプとブログに基づきます。実際に日本語の会議を録音して精度を測った記事ではありません。公式ヘルプに書かれていることと、書かれていないことを分けて整理します。
会議の録音をどう扱うツールか
Gemini Notebook は、会議の記録専用のツールではありません。アップロードした資料(ソース)をもとに、AIが要約や質問への回答をする調べもの用のツールです。ヘルプでは、アップロードしたソースを使ってモデルが質問に答える、と説明されています。[1]
ソースに入れられるものの中に、音声ファイルがあります。ローカルの音声ファイルを取り込むと、インポート時に文字起こしされ、そのテキストが新しいソースとして保存されます。[1] Googleのブログも、音声の録音を取り込んで、文字起こしされた会話から必要な情報を探せると紹介しています。[8]
つまり使い方は「会議が終わってから、録音ファイルを入れる」です。会議に参加して録音するボットや、リアルタイムで文字起こしする機能については、今回確認したヘルプのページに説明が見当たりませんでした。会議中の記録が必要なら、Google Meetの「メモを取る」や、ボットを使う専用ツールのほうが向いています。
日本語の音声は、取り込みの対応言語に入っています
肝心の言語です。ヘルプの「音声のインポートがサポートされている言語」の一覧に、日本語が入っています。[1] 英語、韓国語、中国語(繁体)などを含む多数の言語が並ぶ一覧です。製品全体としては80以上の言語に対応しているとも書かれています。[3]
対応言語に入っていることと、日本語の会議で実用になる精度が出ることは別の話です。ヘルプには、日本語の文字起こし精度を示す数字がありません。音声の品質が低いと、インポートそのものが失敗することがある、とも注意されています。[1] 発話が含まれていない音声は対象外です。[1]
私が気になるのは、話者の扱いです。ヘルプを読んだ範囲では、文字起こしに話者名を付ける機能や、誰の発言かを自動で分ける機能の説明が見つかりません。複数人が話す会議では、決定事項の担当を取り違えやすくなります。話者ごとの整理が必要なら、話者名のずれの直し方の考え方が役に立ちます。
取り込める量:1ファイル200MB、無料は1ノートブック50ソースまで
量の上限は、ヘルプに数字で出ています。
- 1つのソース: 最大50万語、アップロードするファイルは200MBまで[1][2]
- ソースの数(1ノートブックあたり): 無料は50、Google AI Plusは100、Proは300、Ultraは500または600[4]
- ノートブックの数: 無料は100、Plusは200、ProとUltraは500[4]
200MBが何分の録音にあたるかは、公式には示されていません。同じ会議でも、音声の形式や音質で、ファイルの大きさは変わります。録画ファイル(mp4)も読み込める形式に入っていますが、[1] 動画は音声だけより大きくなりがちです。長い会議の録画が弾かれたら、音声だけを書き出してから試すのが手早いでしょう。
もう一つ、数字から計算できることがあります。毎週の定例会議を1ノートブックに集めていくと、無料では50回で上限に届きます。1年分に足りません。ノートブックを四半期ごとに分けるなど、置き場所の決め方を先に考えておく必要があります。なお、アクセスできなくなったドライブのファイルのような無効なソースも、ソースの上限に数えられます。[1]
AIの利用量は「回数」ではなく、使った量で決まります
料金まわりで見落としやすいのが、利用量の数え方です。ヘルプによると、Gemini Notebook の利用上限は計算量ベースです。プロンプトの複雑さ、使うモデルや機能、チャットの長さなどが影響します。上限に達したら、5時間ごとに枠が回復し、週の上限までは待てば使えます。[5]
プランごとの上限は、無料を基準にして次のように示されています。[5]
- Google AI Plus: 無料の2倍
- Google AI Pro: 無料の4倍
- Google AI Ultra: Proの5倍または20倍(契約による)
「何回質問できるか」の数字は、このページにはありません。ヘルプは、上限は変わることがあるとも断っています。[5] 長い会議の録音を何本も入れて質問を重ねると、無料の枠は早く減る可能性があります。画面の設定にある「Usage」で、残りの量と回復の時刻を確認できます。[5]
プランの価格は、Googleの「Google AIプラン」のページで決まる扱いで、[4] 本記事では金額を載せていません。契約の前に、公式のページで最新の表示を確かめてください。
録音データの扱い
会議の録音には、社内の話や、取引先の名前が入ります。データの扱いは、ヘルプに次のように書かれています。
- データは保護され、フィードバックを送らない限り、Gemini Notebook の学習には使われない[3][6]
- サムズアップ・サムズダウンのフィードバックを送ると、その会話の文脈(質問、アップロード、回答)が人間のレビューの対象になりうる。レビューされたデータは、Googleアカウントから切り離された状態で、最長3年保持される[6]
- Google WorkspaceまたはWorkspace for Educationのアカウントでは、アップロード、質問、回答は人間にレビューされず、AIの学習にも使われない。フィードバックを送った場合も同じ[4][6]
個人のGoogleアカウントで、うっかり評価ボタンを押すと、録音から起こした内容がレビューの対象になりえます。会議の内容に機密が含まれるなら、評価ボタンは押さないようにしてください。社内の会議で使うなら、個人のアカウントではなく、会社が契約するWorkspaceのアカウントで使うほうが安全です。その場合、会社の管理者がGemini Notebookの利用を有効にしている必要があります。[2][3]
導入前の確認項目は、AI議事録ツール導入前のセキュリティチェックリストにまとめています。録音そのものを参加者に伝える文面は、録音アナウンスの例文が使えます。
良い点
ここが強い
- 日本語が、音声取り込みの対応言語に入っている[1]
- 録音ファイルは取り込み時に文字起こしされ、そのまま質問できる[1]
- 回答は、アップロードしたソースの情報にもとづく設計になっている[2]
- Googleアカウントがあれば、無料のStandardから始められる[4]
- フィードバックを送らなければ、アップロードした内容は学習に使われない[3][6]
確認したい点
ここは確認を
- 会議に参加して録音する機能は、今回確認したヘルプに説明がない
- 話者名を付ける機能の説明が見当たらず、誰の発言かの整理は自分でする必要がある
- 日本語の文字起こし精度を示す公式の数字がない
- 1ファイル200MB、無料は1ノートブック50ソースまで[1][4]
- 利用量は計算量で数えられ、無料の枠でどれだけ使えるか分かりにくい[5]
- 音声の品質が低いと、取り込みに失敗することがある[1]
- 個人アカウントでフィードバックを送ると、内容が人間のレビューの対象になりうる[6]
向いている人
- すでにZoomやMeetの録画を持っていて、新しいツールの契約をせずに試したい人
- 会議の録音と、関連する資料(スライドやPDF)を一つのノートブックに入れて、横断して質問したい人
- 議事録の清書より、「あの件はどう決まったか」を録音と資料から探す使い方が中心の人
逆に、毎日の会議を自動で記録して、話者ごとの議事録を共有したいなら、専用のAI議事録ツールのほうが想定に近いと思います。日本語に特化したRimo Voiceのレビューや、多言語に強いNottaのレビューがあります。全体の見比べは、AI議事録ツール5選の比較で確認できます。
試すなら、5分の録音を1本
本番の会議の前に、次の順で確かめてください。
- 録音することを、先に参加者へ伝える
- 5分ほどの短い日本語の録音を、1本だけ用意する
- Gemini Notebook で新しいノートブックを作り、音声ファイルをソースに追加する
- 取り込みが成功したら、ソースを開いて、文字起こしを自分の耳で聞いた内容と照らす
- チャットに「決定事項と、担当者、期限を挙げてください。書かれていないものは『記載なし』としてください」と頼む
- 金額、日付、社名、人名が正しく残っているかを見る
- 設定の「Usage」で、この作業で利用量がどれだけ減ったかを確かめる
手順5で「担当者」を尋ねても、話者の区別は保証されません。手順5の「記載なし」の指定は、AIが空白を想像で埋めるのを防ぐための私の工夫です。公式の機能ではありません。回答の根拠は、必ず元の文字起こしに戻って確かめてください。観点はAI議事録ツールのトライアル評価シートに合わせると、他のツールと並べやすくなります。固有名詞が崩れる場合は、辞書登録の考え方も参考になります。
Gemini Notebook は、会議の記録係としてではなく、録音ファイルと資料を並べて調べる道具として見ると、位置づけが分かりやすいです。まず手元の5分の録音で、日本語の取り込みと利用量の減り方を確かめてください。
Sources
[1] https://support.google.com/gemininotebook/answer/16215270?hl=ja — ノートブックの新しいソースを追加または検索する(Gemini Notebook ヘルプ) [2] https://support.google.com/gemininotebook/answer/16269187?hl=en — Frequently asked questions(Gemini Notebook Help) [3] https://support.google.com/gemininotebook/answer/16164461?hl=en — Learn about Gemini Notebook(Gemini Notebook Help) [4] https://support.google.com/gemininotebook/answer/16213268?hl=en — Learn about Gemini Notebook’s plans(Gemini Notebook Help) [5] https://support.google.com/gemininotebook/answer/17670842?hl=en — Manage your Gemini Notebook usage limits(Gemini Notebook Help) [6] https://support.google.com/gemininotebook/answer/17004255?hl=en — Privacy and Terms of Use in Gemini Notebook(Gemini Notebook Help) [7] https://blog.google/innovation-and-ai/products/gemini-notebook/notebooklm-gemini-notebook/ — NotebookLM is now Gemini Notebook(Google Blog) [8] https://blog.google/innovation-and-ai/products/notebooklm-audio-video-sources/ — NotebookLM adds audio and YouTube support(Google Blog)