Circlebackレビュー:ボットなしの手元録音と日本語の議事録は両立するか
目次
カレンダーに入っている会議のうち、議事録ボットを入れてよいのは社内の定例だけ。社外との打ち合わせは、自分のPCで静かに録りたい。こういう使い分けを、ツールを替えずに一つのアカウントでできるかどうかが、Circlebackを見るときの入口になります。
Circlebackは、会議の議事録、アクションアイテム、検索を一つにまとめたAI議事録サービスです。公式サイトは、話者ごとのノート、アクションアイテムの自動抽出、100以上の言語の文字起こしを掲げています。[1]
本記事は2026年10月2日に確認した公式サイトと公式サポートに基づきます。料金、プランの範囲、対応言語は変わるため、契約前に本文の公式リンクで最新条件を確認してください。同じ日本語音声で精度を測った比較ではなく、日本語の聞き取りの良し悪しは本記事では判断していません。
録り方は三つ、入口でボットの有無を選べる
Circlebackには、会議の記録方法が大きく三つあります。公式サポートの整理では、次のとおりです。[4]
- ボットが参加者として入る。Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Webexに対応
- ボットを使わず、デスクトップアプリ(macOS・Windows)で手元の音声を録る
- スマートフォンのアプリで、対面の会議や雑談を録る
録音済みのファイルを取り込む方法もあります。音声か動画を最大2GBまでアップロードでき、MP3、MP4、WAV、M4A、MOVなどに対応するとヘルプにあります。[10]
カレンダーを連携する
↓
社内か社外かを、参加ルールで分ける
↓
ボットを入れる会議 → 自動で参加
ボットを入れない会議 → デスクトップアプリで手元録音
↓
会議後に話者名と固有名詞を、文字起こしへ戻して確認する
ボットの自動参加は、カレンダーを連携し、「Internal」「External」などの参加ルールで決めます。ルールの対象になるのは、オンライン会議のリンクがある予定だけです。社外の参加者がいる会議だけ入れない、といった組み合わせも設定できます。[7]
個別の予定ごとに、Homeの画面から参加のオンとオフを切り替えることもできます。全体の設定で「参加しない」になっていても、この会議だけは入れたい、またその逆も選べます。[7]
ボットなし運用で気をつけたい三つの点
ボットを入れない運用の中心は、デスクトップアプリです。公式の説明では、ZoomやGoogle Meet、Teams、その他のプラットフォームで、マイクとPC内の音声を直接取り込みます。[5]
手順で見落としやすいのは、次の三点です。
- 会議の自動検出は、通知設定の「Detect meetings」をオンにして初めて動きます。会議アプリがマイクを使い始めた時点で、記録するかどうかの通知が出ます。[5]
- ボットの自動参加も同時に有効だと、Circlebackは先にボットで入ろうとします。入れなかったときにデスクトップ録音へ切り替わります。常にボットなしにしたいなら、カレンダー設定の参加ルールをすべてオフにしてください。[5][7]
- 動作環境は、macOSがSonoma(14.2)以降、WindowsがWindows 11以降です。どちらもメモリ8GBが目安で、空き容量は50GB以上が推奨されています。[6]
「Automatically start recordings」を有効にすると、会議の検出後に短いカウントダウンを置いて録音が始まります。記録したくない会議では、通知の「Don’t Record」で止めます。[5]
録音の開始が自動になるほど、参加者への事前説明は抜けやすくなります。ボットが画面に出ない分、相手は記録されていることに気づけません。同意の取り方はAI議事録の録音アナウンス例文を、会議のチャットに合わせて使ってください。
日本語は対応言語に入っている。ただし精度は別の話
サポートの言語一覧には、Japanese(日本語)が入っています。[3]
公式の説明では、Circlebackは会議の中で主に話されている言語を自動で検出し、会議全体をその言語で文字起こしします。ノートやアクションアイテム、インサイトは、既定では文字起こしと同じ言語で書かれます。設定のPreferencesで言語を選ぶと、会議で話された言語に関係なく、AIが作る成果物をその言語に固定できます。文字起こしは常に実際の発話の言語です。[3]
つまり、日本語の会議の議事録を日本語で受け取るだけなら、追加の設定はいりません。英語の会議の要約を日本語で読みたいときに、設定を触ります。
「主に話されている言語」で全体を一つの言語として扱うため、日本語と英語が頻繁に入れ替わる会議では、混ざった部分の扱いが公式ヘルプから読み取れません。製品名や社内用語が多い会議は、次の機能で補うことになります。
- 固有名詞や略語は、設定のVocabularyに登録できます。登録は今後の会議から効き、すでに終わった会議には反映されません。人名と会社名は自動で含まれるため、登録は不要です。[9]
- 話者名は、会議の文字起こしタブで直せます。直した名前は、ノートやアクションアイテム、インサイトにも反映されます。カレンダーに紐づいた会議では、その人の声が保存され、次回以降の会議で自動認識されます。[12]
話者の声を保存する仕組みは、便利さと引き換えに、保存する情報が増えることを意味します。社内の規程に合わせて、運用前に確認してください。
料金とプラン
料金ページの表示は、1ユーザーあたりの月額です。月払いと年払いの切り替えがありますが、確認した時点では、どちらの表示も同じ金額でした。[2]
- Free: $0。ボットまたはボットなしのデスクトップアプリ、話者ラベル付きの文字起こし、API・MCP・CLIの利用に対応します。会議と録音の履歴は30日で、自動化は限定的です。[2]
- Pro: $15。会議履歴が無制限になり、録音の保存は1年です。Notion、HubSpot、Salesforceなどの連携を含む自動化、カスタムAIインサイトが加わります。[2]
- Business: $25。管理者とメンバーの権限、閲覧のみの参加者の人数無制限、保持期間のカスタム設定、録音の保存2年、利用状況のダッシュボードが加わります。[2]
- Enterprise: $35から。SSO(SAMLまたはOIDC)とSCIM、請求書払い、録音の保存無制限、HIPAA対応が加わります。人数に応じたボリューム価格です。[2]
公式サイトのトップには、Freeプランでの会議数は無制限、という案内があります。ただし、Freeの履歴が30日という点は料金ページに書かれているため、あとから議事録を見返したい人は両方を合わせて読んでください。[1][2]
円での請求額は、この表のドルを自分で換算せず、自分のアカウントの決済画面で確かめるのが安全です。
データの保存と削除を、導入前に決めておく
既定では、Circlebackは会議の音声と動画の録画を保存します。設定のPreferencesで「Save meeting audio and video recordings」をオフにすると、録画は残さず、ノート、アクションアイテム、文字起こし、インサイトだけが作られます。ボットが入った会議でこの設定が無効のときは、録画を保存していない旨が会議のチャットに送られます。[8]
ワークスペースの管理者は、保存期間を録画、文字起こし、「ノートやアクションアイテムを含む全会議データ」の三つに分けて調整できます。期限が来たデータは完全に削除され、復元できません。[11] 料金表では、この保持期間のカスタム設定はBusiness以上に載っています。[2]
プライバシーポリシーには、会議の録画、文字起こし、カレンダーの予定情報を収集するデータとして挙げ、AIモデルと文字起こしの事業者を、サービス提供のために取引ごとに使う委託先として開示しています。ポリシーの発効日は2024年7月15日です。契約前に最新版を読んでください。[13]
どの期間で消すかを決める手順は、AI議事録の保存期間をどう決めるかが使えます。音声、文字起こし、要約の三つを別々に見る考え方は、Circlebackの三分類とそのまま対応します。
良い点
ここが強い
- 同じアカウントで、ボットあり、デスクトップのボットなし、スマートフォンの対面録音、ファイル取り込みを使い分けられる[4][10]
- 日本語が対応言語に入っており、成果物の言語を固定できる[3]
- 録画を保存しない設定にしても、ノートと文字起こしは作られる[8]
- 話者名を直すと、ノートやアクションアイテムにも反映される[12]
- FreeでもボットなしのデスクトップアプリとAPI・MCP・CLIが使える[2]
確認したい点
ここは確認を
- 日本語の聞き取りの精度は、公式の説明からは分からない。社内の会議で実測する必要がある[3]
- Freeは会議と録音の履歴が30日。長く残したいならPro以上になる[2]
- ボットの自動参加とデスクトップ録音を併用すると、先にボットが入ろうとする[5]
- デスクトップアプリはmacOS 14.2以降とWindows 11以降が前提[6]
- 保持期間のカスタム設定はBusiness以上[2][11]
向いているチーム
- 社内の定例はボットで自動参加させ、社外との会議は手元で録りたい人
- Slack、Notion、HubSpotなどへ、会議後の内容を流し込みたいチーム。連携の範囲はプランで変わるため、使いたいアプリが含まれるか料金表で確認してください[2]
- 英語の会議を日本語の要約で読みたい人。成果物の言語を設定で固定できます[3]
反対に、WindowsでもmacOSでもない環境や、古いOSのPCしか使えない人は、デスクトップ録音の対象外になりえます。[6]
ボットなしの記録は、ほかにも選択肢があります。Chromeの拡張機能で字幕から取るTactiq、端末側で録るGranolaと見比べると、録音の入口がどう違うかが分かります。ボット参加も選べる英語寄りの定番はOtter.aiです。話者名の直し方で迷う場合は、AI議事録の話者名修正ノウハウも参考になります。
試すなら、社内の定例を2本
機密性の低い社内定例を2本選び、同じ週に次の順で試します。
- カレンダーを連携し、1本目はボットの自動参加、2本目はデスクトップアプリでの手元録音にします。[5][7]
- どちらも、会議の最初に記録していることを参加者へ伝えます。
- 終了後、金額、日付、社名、担当者名が文字起こしに残っているかを見ます。直らない固有名詞はVocabularyに登録し、次の会議で変わるかを確かめます。[9]
- 話者名を1人直し、ノートとアクションアイテムまで反映されるかを見ます。[12]
- 決定事項は要約だけで確定せず、文字起こしの該当行へ戻して確かめます。
観点はAI議事録ツールのトライアル評価シートに合わせられます。
Circlebackの価値は、ボットを入れるかどうかを会議ごとに選べることだけでは決まりません。自分の会議の日本語が読める品質で残り、直した名前や用語が次の会議にも効き、不要になったデータを自分で消せるところまで確認して、初めて判断できます。
Sources
[1] https://circleback.ai/ — Circleback: Unbelievably good meeting notes [2] https://circleback.ai/pricing — Pricing - Circleback [3] https://circleback.ai/docs/support/meetings/meeting-languages — Meeting languages [4] https://circleback.ai/docs/support/recording/getting-started-with-recording — Getting started with recording [5] https://circleback.ai/docs/support/recording/desktop-app/record-meetings-with-the-desktop-app — Record meetings with the desktop app [6] https://circleback.ai/docs/support/recording/desktop-app/desktop-recording-requirements — Desktop recording requirements [7] https://circleback.ai/docs/support/account-and-setup/meeting-joining-preferences — Meeting joining preferences [8] https://circleback.ai/docs/support/recording/configure-whether-meeting-recordings-are-saved — Configure whether meeting recordings are saved [9] https://circleback.ai/docs/support/account-and-setup/add-custom-vocabulary — Add custom vocabulary [10] https://circleback.ai/docs/support/meetings/import-a-meeting — Import a meeting [11] https://circleback.ai/docs/support/workspace-and-teams/data-retention-settings — Data retention settings [12] https://circleback.ai/docs/support/meetings/update-meeting-participant-names — Update meeting participant names [13] https://circleback.ai/privacy — Privacy Policy