Jamieレビュー:ボットなしの手元録音と、無料枠30分の壁をどう考えるか
目次
無料プランの上限が「月10件」ではなく、「1回30分」であることに気づくのは、たいてい登録したあとです。Jamieの料金表を開くと、まず目に入るのは件数ですが、定例会議を1時間やる人にとって先に効いてくるのは、1回あたりの長さのほうです。
Jamieは、会議にボットを参加させず、自分のパソコンで音声を録ってメモにするAI議事録サービスです。公式サイトの説明では、通話に仮想の参加者は入らず、Zoom、Teams、Google Meetなどのオンライン会議と、対面の会議のどちらにも使えます。[2] データを欧州内に置くと案内しているサービスで、料金もユーロで表示されます。[3]
本記事は、2026年10月6日に確認した公式の料金ページ、ドキュメント、セキュリティのページに基づきます。料金や上限は変わるので、契約の前に本文の公式リンクで最新の表示を確かめてください。同じ日本語の会議で精度を測った記事ではなく、日本語の聞き取りの良し悪しはここでは判断していません。
上限は「件数」と「1回の長さ」の二本立て
料金ページには、年払いのタブと月払いのタブがあり、それぞれの月額が表示されています。次の一覧では、年払いと月払いを並べて示します。[1]
- Free: 0ユーロ。AIノートは月10件、1回の会議は30分まで
- Plus: 年払いで月21ユーロ、月払いで月25ユーロ。月20件、1回2時間まで
- Pro: 年払いで月39ユーロ、月払いで月47ユーロ。件数は無制限、1回5時間まで
- Team: 1席あたり、年払いで月33ユーロ、月払いで月39ユーロ。共有テンプレートや、共有のワークスペースが付く
- Enterprise: 要問い合わせ。SSOや監査ログ、保存期間の設定が付く
件数の上限と長さの上限が別々にあるので、自分の会議に当てはめて考えます。1回60分の定例が週に3回あるなら、月に12〜13件。件数ではFreeの10件を超え、Plusの20件に収まります。ただしFreeの場合、件数の前に、60分の会議は30分の上限を超えてしまいます。公式の表を見る限り、30分を超えた分がどう扱われるか(途中で切れるのか、録音自体ができないのか)までは確認できていません。無料で試すなら、30分以内の会議で試すほうが安全です。
もう一つ、見落としやすい数字があります。Jamieのドキュメントには、5分未満の録音を止めようとすると警告が出る、と書かれています。短すぎる録音からは使える要約が作れない可能性があるため、という説明です。[5] 5分の確認事項だけの打ち合わせを「1件」として数えるのはもったいないので、短い用件は別の方法でメモしたほうが、月10件や月20件を無駄にしません。
Proが必要になる目安は、1回が2時間を超える会議があるか、月に21件以上の会議を記録したいか、のどちらかです。それ以外の人は、Plusまでで足ります。
ボットなしで録るしくみと、使う前の条件
Jamieは、使っている端末のマイクとシステム音声から会話を取り込みます。会議にボットは入らず、参加者の画面に第三者の名前は出ず、カレンダーの招待も飛びません。[3] オンライン会議では、Zoom、Google Meet、Teamsなどに参加すると、録音を始めるかどうかを尋ねる通知が出ます。[5]
録音の始め方は三つあります。
- 通知の「Start Jamie」を押す
- アプリのナビゲーションバー、またはmacOSのメニューバーから手動で始める
- 自動開始を有効にする
自動開始は、初期状態ではオフです。有効にするには、カレンダー(Google CalendarかOutlook)を接続し、マイクが会議アプリに使われ、5分以内に始まる、または始まって10分以内の予定がある、という条件がそろう必要があります。対応するのはWindowsとmacOSのデスクトップアプリで、必要なバージョンも決まっています。[8] 予定にない突然の通話では動かないので、そういう会議は通知から手で始めることになります。ここはカレンダーの設定を変えれば緩められるようですが、既定のままでは「予定のある会議だけ自動で録る」動きです。
スマートフォンのアプリもあり、対面の会議の録音と、記録済みの会議の閲覧に使えます。ただし公式の説明は、Jamieは電話の通話を録音できない、と明記しています。[10] 電話での商談を残したい人は、別の方法が必要です。
日本語で使うときの確認点
公式のドキュメントには、日本語が文字起こしと要約の対応言語として載っています。[4] 要約の言語は、設定の「Summary language」で選べます。[4] 日本語の会議を日本語で要約したいなら、ここで言語を決めておきます。
数字には食い違いがあります。料金ページは「99以上の言語」と書き、ドキュメントは「80以上の言語」と書いています。[1][4] どちらも日本語は含まれる前提のようですが、ページごとに数が違うので、言語数だけを根拠にして選ぶのは避けたほうがよさそうです。聞き取りの精度は、自分の会議の音声で試すしかありません。
固有名詞や製品名が多い会議向けには、カスタム用語の登録があります。登録できる数は、Free、Plus、Proが50語、Teamが100語、Enterpriseが250語です。[1] 自社の製品名、人名、略語だけで50語を超える会社は多くないはずですが、登録した語が日本語の読みや表記でどこまで直るかは、公式の説明からは分かりません。読みと表記の決め方は、AI議事録の固有名詞を辞書登録で直す方法にまとめています。
話者の名前は、会議のあとで音声の短いクリップを聞いて、名前を付ける形で整えます。一度名前を付けた人は、次の会議から自動で当てはめられます。[9] ただし、話者の数が実際の参加者より多く、または少なく認識されることがあると、公式も書いています。[9] 同じ人が二人に分かれたときは、同じ名前を二度付ければ、要約にまとめて載ります。直し方の全体は、AI議事録の話者名修正ノウハウが参考になります。
録音していることを、相手にどう伝えるか
ボットが出ない方式は、そのままでは、相手が録音に気づく手がかりがありません。Jamieのドキュメントは、参加者全員に伝えることは必須で、法的な根拠を整える責任は使う側にある、と書いています。[6]
伝える方法は三つ示されています。[6]
- 会議の冒頭に口頭で伝える
- 会議の前にメールで通知する。カレンダーの接続が必要で、10分前から48時間前まで、送る時間を選べる(既定は4時間前)
- 録音が始まった直後に、会議のチャットへ通知を自動で投稿する
三つ目には、注意が必要です。この機能はクローズドベータで、初期状態ではオフ、デスクトップアプリで本人が各端末ごとに有効にします。macOSでは、アクセシビリティの許可も必要です。[7] 投稿される文面は固定で、英語の一文です。「I’m using Jamie (meetjamie.ai) for automatic transcription and note-taking.」。[7] 日本語の会議で相手に伝わるかは別の問題なので、日本語の会議では、口頭の一言か、自分で書いた日本語の案内を足すほうが確実です。文面の作り方は、AI議事録の録音アナウンス例文が使えます。
データの扱いと、保存期間の決め方
公式のセキュリティのページによると、データの保存と処理は欧州経済領域、スイス、英国の中にとどまります。録音した音声は、文字起こしのあとで削除されます。会議のデータは、Jamie自身も、利用するAIモデルの提供元も、モデルの学習に使わないとしています。[3] ISO 27001を取得済みで、SOC 2 Type IIは審査中と書かれています。[3]
保存期間は、ここで気をつけたい点です。セキュリティのページには、管理者が保存のルールを決められると書かれています。[3] 一方、料金の比較表で「カスタムのデータ保存ポリシー」にチェックが付くのは、Enterpriseだけです。[1] 個人やチームの契約で、保存期間をどこまで決められるかは、画面の表示を見て確認する必要があります。保存期間の考え方は、AI議事録の保存期間をどう決めるかが参考になります。
良い点
ここが強い
- 会議にボットを入れず、手元の端末で録音できる[2][3]
- オンライン会議と対面の会議の両方に使える[2]
- 無料枠でも、話者の識別やタスクの検出、チャットでの質問が使える[1]
- 音声は文字起こしのあとで削除され、モデルの学習には使われないと明記されている[3]
- 録音の事前通知メールを、時間を選んで送れる[6]
確認したい点
ここは確認を
- 無料枠は1回30分まで。60分の会議はそのまま使えない可能性が高い[1]
- 月払いは年払いより割高。Plusは月25ユーロと月21ユーロ、Proは月47ユーロと月39ユーロで、試しに1か月だけ使うなら月払いの金額で考える[1]
- 日本語の聞き取り精度は、公式の説明からは判断できない[4]
- 自動開始はカレンダーの接続が前提で、予定のない通話は手動になる[8]
- 電話の通話は録音できない[10]
- 会議チャットへの自動通知はベータで、文面は英語に固定されている[7]
向いている人
- 会議が30分以内、または1時間程度で、月の件数が20件前後に収まる人
- 社外との会議にボットを入れたくなく、手元で静かに記録したい人
- 録音の通知を、メールや口頭で自分で整えられる人
反対に、毎日のように長い会議があり、複数人で記録を共有したいチームは、共有のワークスペースが付くTeam以上を見る必要があります。ブラウザの字幕から取るTactiqや、パソコンの外でも録れるPlaud Note Proと見比べると、録音の入口の違いがつかめます。
試すなら、30分以内の会議を3本
登録したら、プランを決める前に次の順で試してください。
- 録音する前に、参加者へ録音することを伝える
- 設定で、要約の言語を日本語にする
- 30分以内の会議を3本、実際に録音する
- 金額、日付、社名、担当者名が、文字起こしに残っているかを見る
- 話者の名前を一度付けて、次の会議で自動で当てはまるかを確かめる
- 決定事項は要約だけで確定せず、文字起こしの該当箇所に戻して確かめる
3本を試せば、無料の30分で足りるか、2時間のPlusが必要かが、自分の会議の長さで決まります。観点はAI議事録ツールのトライアル評価シートに合わせられます。
Jamieの選び方は、ほぼ二つの数字で決まります。自分の会議の長さと、1か月に記録したい件数です。この二つを、先に手元で数えておくと、料金表の読み間違いが減ります。
Sources
[1] https://www.meetjamie.ai/pricing — Pricing | Jamie [2] https://www.meetjamie.ai/ — Jamie - The Meeting Intelligence Platform You Can Trust [3] https://www.meetjamie.ai/security — Security | Jamie [4] https://docs.meetjamie.ai/faqs-troubleshooting/language-support — Language Support - Jamie Docs [5] https://docs.meetjamie.ai/getting-started/recorder — Using the Recorder - Jamie Docs [6] https://docs.meetjamie.ai/getting-started/recording-consent — Recording consent - Jamie Docs [7] https://docs.meetjamie.ai/getting-started/meeting-chat-compliance-notice — Meeting chat consent notice - Jamie Docs [8] https://docs.meetjamie.ai/getting-started/auto-start-recording — Auto-start recording - Jamie Docs [9] https://docs.meetjamie.ai/getting-started/identify-speaker — Identify Speakers - Jamie Docs [10] https://docs.meetjamie.ai/getting-started/mobile-app — Mobile App - Jamie Docs