tl;dvレビュー:会議をまたいで顧客の声を探せるAI議事録の強みと注意点
目次
一つの会議を短くまとめるだけなら、AI議事録ツールの選択肢は増えました。ところが、10件の商談から繰り返し出た要望を探したり、複数の顧客インタビューを横断して傾向をつかんだりする作業は、会議ごとの要約だけでは終わりません。
tl;dv(ティーエルディーブイ)は、録画・文字起こし・要約に加え、複数会議の横断分析やCRM(顧客管理ツール)への連携まで扱うAI議事録ツールです。Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsに対応し、日本語を含む30以上の言語で文字起こしと要約を利用できます。[1]
本記事は2026年9月7日に確認した公式情報をもとにしています。料金や機能は変わるため、契約前に公式ページで最新条件をご確認ください。
tl;dvでできること
tl;dvは会議を録画し、終了後に文字起こしと共有用の要約を生成します。要約の形式は用途に合わせて変更でき、次のアクションやフォローアップメールの下書きも作れます。[1]
主な機能は次のとおりです。
- Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsの会議を録画・文字起こしする[1]
- 日本語を含む30以上の言語で文字起こし、翻訳、要約を行う[1]
- 要約テンプレートを会議の目的に合わせて変更する[1]
- 会議内容からアクション項目やフォローアップメールを作る[1]
- CRMや業務ツールへ会議の情報を送る[1][5]
- 複数の会議をまとめて分析し、傾向をレポートする[1][5]
会議を一本ずつ保存する「記録庫」ではなく、蓄積した会話を後から検索・分析するところまで意識した構成です。営業、カスタマーサクセス、ユーザーインタビューのように、似たテーマの会話が何本も続く業務で持ち味が出ます。
良い点
ここが強い
- 無料プランでも録画と30以上の言語の文字起こしを回数無制限で試せる[5]
- Pro以上ではAI議事録と一つの会議に対するAsk AI(会議の内容へ質問する機能)を無制限で利用できる[5]
- Businessでは複数会議のAI分析や定期レポートを利用できる[5]
- 文字起こしを探すだけでなく、会議後のメールやCRM更新へつなげられる[1][5]
- ボット(会議へ自動参加する記録用プログラム)を参加させない記録方法も用意されている[1]
特に興味深いのは、複数会議を一つの材料として扱える点です。たとえば週10件の商談があるなら、「価格への反応」「競合製品の名前」「導入を止めている理由」といったテーマを会議横断で追えます。担当者がそれぞれの録画を見直して集計するより、最初の調査範囲を絞りやすくなります。
ただし、横断分析の結果はそのまま経営判断に使うものではありません。該当する発言へ戻り、誰がどの文脈で話したかを確認してから共有するのが安全です。
料金と無料枠
公式料金ページでは、Free、Pro、Business、Enterpriseの4プランが案内されています。[5]
| プラン | 年払い時の月額相当 | 主な範囲 |
|---|---|---|
| Free | 0円 | 録画・文字起こしは無制限、AIノートは10会議まで |
| Pro | 1席(ユーザー1人)あたり3,080円 | AIノート、単一会議のAsk AI、アップロード、保存を無制限で利用 |
| Business | 1席あたり4,980円 | 複数会議のAI分析、定期レポート、チーム管理を追加 |
| Enterprise | 個別見積もり | 組織管理、SCIM(アカウント管理の自動化)、カスタムSSO(シングルサインオン)、組織アクティビティログ(操作履歴)など |
表示価格は年払いを選んだ場合の1席あたり月額相当です。月払いの金額や税の扱いは、契約画面で確認してください。[5]
無料プランは録画・文字起こしを広く試せる一方、AIノートは10会議、Ask AIは回数制限があり、データ保持期間は最大3か月と案内されています。[5] 「文字起こし無制限」と「すべてのAI機能が無制限」は同じ意味ではありません。
まず無料プランで日本語の固有名詞、話者の割り当て、共有操作を試し、AI要約を日常的に使うならPro、複数会議を横断して分析する目的が明確ならBusinessを検討する順番が分かりやすいです。
注意点
ここは確認を
- 無料プランのAIノート、Ask AI、保持期間には上限がある[5]
- 複数会議の横断分析はBusiness以上が中心で、個人向けのProとは料金差がある[5]
- 30以上の言語に対応していても、自社の製品名や人名が正しく残るとは限らない
- CRM連携は、対象サービスだけでなく書き込む項目と公開範囲まで試す必要がある
- 録画・要約を行うことを参加者へ説明し、社内の保存ルールも決めておく
会議データの扱いについて、tl;dvは顧客データをAIの学習に使わないと説明しています。メタデータ(録音の日時や参加者などの付帯情報)を匿名化し、会議を小さな断片に分けて順番をランダム化したうえでAnthropic(AI開発企業)の処理へ渡す仕組みも公開しています。[3]
また、SOC 2 Type II(外部監査によるセキュリティ認証)への準拠、保存時のAES-256(強度の高い暗号化方式)による暗号化、欧州のデータセンターでの保管を案内しています。[3][4] EnterpriseではSCIM、カスタムSSO、組織アクティビティログなども提供されます。[5]
これらは導入判断の材料になりますが、認証の有無だけで社内審査が終わるわけではありません。録画の保存期間、退会時の削除、AI処理地域、管理者が操作できる範囲を、自社の要件と契約条件に照らして確認してください。
向いているチーム
- 商談や顧客インタビューが多く、複数の会話から共通点を探したいチーム
- Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsが混在しているチーム
- 会議後のフォローアップメールやCRM更新まで減らしたいチーム
- 日本語だけでなく、複数言語の会議を同じ場所で管理したいチーム
反対に、月に数本の社内会議を要約するだけなら、既に契約しているTeamsやGoogle Meetの議事録機能で足りる可能性があります。横断分析や外部連携を使わないのであれば、機能の多さより運用場所を増やさないことを優先したほうがよいでしょう。
トライアルで確かめたい3つの流れ
導入前は、機能を個別に触るだけでなく、実際の仕事に近い流れを通して試します。
- 会議から要約まで:固有名詞、決定事項、担当者、期限が正しく残るか
- 要約から共有まで:必要な相手だけが閲覧でき、元の発言へ迷わず戻れるか
- 複数会議から分析まで:同じ質問をした3〜5件の会議から、共通点と例外を取り出せるか
横断分析を評価するときは、あらかじめ人が会議を読み、期待する答えを短くまとめておきます。AIのレポートと照合し、少数意見を落としていないか、発言の強さを誤って解釈していないかを確認してください。
まとめ
tl;dvは、会議一本の要約よりも、蓄積した会話を横断して次の仕事へつなげたいチームに向くAI議事録ツールです。無料プランで録画と文字起こしを試しやすく、目的が固まればProの自動化やBusinessの複数会議分析へ進めます。
選定時は対応言語や連携数だけで決めず、普段の会議を使って「正しい要約になるか」「必要な相手へ安全に共有できるか」「複数会議の分析で確認時間が減るか」を測ることが大切です。
Sources
[1] https://tldv.io [3] https://tldv.io/features/security-commitment [4] https://tldv.io/about-us [5] https://tldv.io/app/pricing — Pricing | tl;dv