YOMELレビュー:ID数無制限の国産AI議事録は法人導入に向くか
目次
議事録ツールを部署へ広げるとき、利用者の人数と会議時間のどちらで費用が増えるかは大きな違いです。記録する人だけでなく、確認や編集をする人にもアカウントが必要なら、1席(ユーザー1人)ごとの課金は予算を押し上げます。
YOMEL(ヨメル)は、オンライン・対面会議の録音、文字起こし、話者識別、要約、共有を扱う法人向けのAI議事録サービスです。料金プランはいずれもID数(アカウント数)無制限で、組織全体の月間利用時間によって選ぶ構成です。[1][2]
本記事は2026年9月11日に確認したYOMELおよび運営元PKSHA Technologyの公式情報に基づきます。料金、機能、トライアル条件は変わるため、契約前に本文の公式リンクから最新条件をご確認ください。
YOMELでできること
会議を記録すると、発言を話者ごとに分けた全文と音声が残り、自動要約、トピックス、Q&Aを確認できます。発言をクリックして該当する音声を再生し、話者名の一括変更や専門用語の辞書登録を行うことも可能です。[1]
主な機能は次のとおりです。
- 会議の発言を自動で文字起こしする[1][2]
- 発言者を自動で分離し、後から名前をまとめて変更する[1]
- 自動要約、トピックス、Q&Aを生成する[1][2]
- 発言に対応する音声へ戻り、内容を確認する[1]
- 検索・一括置換と議事録専用エディタで記録を整える[2]
- 会議ログをURLで外部共有する[1][2]
- SalesforceやSlackへ連携する[2]
- 対面会議をスマートフォンアプリで記録する[1][2]
専用アプリを使う方式で、Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Webexなどに対応すると案内されています。会議サービスごとの連携設定をせず、手元の端末でオンライン会議を記録できる点が特徴です。[1][4]
良い点
ここが強い
- 有料プランはID数無制限で、利用者を増やしても席数課金が発生しない[2]
- オンライン会議と対面会議を同じ環境で記録できる[1][4]
- 要約だけでなく、Q&Aやトピックスを会議後に確認できる[1][2]
- 元の音声へ戻れるため、数字や決定事項を発言と照合しやすい[1]
- 辞書登録、検索、一括置換、専用エディタで議事録を仕上げられる[1][2]
ID数無制限の利点が出やすいのは、記録担当者が固定されていない組織です。たとえば50人の部署で毎回違う担当者が会議を開く場合でも、全員へアカウントを用意し、組織内の記録時間を一つの枠で管理できます。
ただし、人数無制限は利用量無制限を意味しません。利用者が増えれば録音時間も増えやすいため、導入前に「月に何人が使うか」ではなく、「何時間の会議を残すか」を集計する必要があります。
料金と無料トライアル
公式料金ページには、スターター、スタンダード、ビジネス、エンタープライズが掲載されています。表示価格はすべて税抜です。[2]
| プラン | 月額料金 | 月間利用時間 | ID数 |
|---|---|---|---|
| スターター | 28,000円 | 30時間 | 無制限 |
| スタンダード | 95,000円 | 130時間 | 無制限 |
| ビジネス | 180,000円 | 300時間 | 無制限 |
| エンタープライズ | 250,000円〜 | 500時間〜 | 無制限 |
自動文字起こし、話者識別、自動要約、カスタム要約、AIチャット、URL共有などは全プラン共通機能として掲載されています。英語モードとSSO認証(シングルサインオン:1回のログインで複数サービスを使う仕組み)はオプションで、SSO認証は月額100,000円と案内されています。[2]
無料トライアル(お試し期間)は約2週間・合計10時間までで、法人名義が対象です。有料版の検討を前提とした試用なので、期限中に録音だけでなく管理と共有まで確認できる予定を先に組んでおくと無駄がありません。[1][2]
30時間のスタータープランは、60分会議なら単純計算で月30本です。実際には短い打ち合わせや試し録りも利用時間へ入る可能性があるため、1か月分の会議予定を一覧にし、記録対象を決めてからプランを選びます。
対応環境と運用上の注意
ここは確認を
- 日本語以外は英語モードのみで、別料金のオプションになる[1][2]
- 月額料金は個人利用より法人での展開を想定した水準になっている[2]
- SSO認証は標準機能ではなく有料オプションとして掲載されている[2]
- PC内蔵マイク・スピーカーは非推奨で、外付け機器の利用が勧められている[1]
- AI要約の決定事項、担当者、期限、数字は元の音声へ戻って確認する
WindowsとMacでは専用アプリを導入し、ブラウザはGoogle Chrome最新版が推奨されています。対面会議はスマートフォンから記録できます。[1] 会議室で使う場合は、ツールだけを試すのではなく、実際に配備するマイクやスピーカーまで同じ条件にしてください。
多言語会議が多い組織は注意が必要です。公式FAQが案内する外国語対応は英語で、料金ページでは英語モードを追加オプションとしています。[1][2] 日本語と英語が一つの会議内で切り替わる場合の認識や要約は、実際の音声で確認したほうが安全です。
セキュリティで確認できること
YOMELのサポートページでは、音声ファイルのアップロード経路をHTTPS(TLSによる暗号化通信)、リアルタイム認識をWSS(暗号化されたリアルタイム通信方式)で暗号化すると説明しています。録音・アップロードした音声はAmazon S3(AWSのファイル保存サービス)で管理され、対象バケット(S3上のデータ保管場所)へのアクセスログを記録しています。[3]
認証情報はAuth0(外部のログイン認証サービス)へ委譲し、パスワードをbcryptでハッシュ化(元のパスワードに戻せない形へ変換)して保管すると案内されています。また、ISO 27001(情報セキュリティ管理の国際規格)認証の取得、WAF(不正アクセスを防ぐ仕組み)、監査ログ(誰がいつ何を操作したかの記録)、IP制限(接続元の限定)、権限管理、個人情報の自動除去も公式情報で確認できます。[2][3]
これらは社内審査の材料になりますが、機能名だけで導入を決めるべきではありません。誰が会議ログを外部共有できるか、音声とテキストをいつ削除するか、退職者のアカウントをどう止めるかまで管理者と確認します。公式のセキュリティチェックシートも公開されているため、自社の質問票と照合できます。[3]
向いている組織
- 多くの社員へアカウントを配り、組織全体の録音時間で費用を管理したい企業
- Zoom、Meet、Teams、Webexなど複数の会議サービスを併用しているチーム
- オンライン会議と会議室での対面会議を同じ運用へまとめたい組織
- 要約だけでなく、元音声の確認と議事録の編集まで一つの画面で進めたいチーム
- SalesforceやSlackへの連携を含めて会議後の作業を試したい部門
反対に、一人で月数本だけ文字起こしする用途では、月額28,000円からの固定プランを使い切れない可能性があります。既存の会議サービスに含まれる要約機能や、個人向けプランを持つサービスも比較したほうがよいでしょう。
トライアルで測りたい4項目
2週間のトライアルでは、機密性の低い会議を3本ほど選び、会議終了から共有までを通して試します。
- 記録開始までの時間:専用アプリとマイクを準備し、迷わず録音を始められるか
- 修正にかかる時間:固有名詞、話者名、数字、否定表現を直すまで何分かかるか
- 要約の確認時間:決定事項、担当者、期限を元の音声と照合するまで何分かかるか
- 共有と管理の手間:意図した相手だけに共有し、監査ログや権限を管理者が確認できるか
利用時間の消費も毎回記録してください。会議本数だけでなく、試し録り、途中で止めた記録、アップロード音声がどのように集計されるかを管理画面で確かめれば、契約後の超過を見積もりやすくなります。
まとめ
YOMELは、利用者一人ずつではなく、組織全体の会議時間を軸に導入したい企業向けのAI議事録サービスです。ID数無制限で、オンラインと対面の記録、話者識別、要約、編集、共有をまとめて扱える点に強みがあります。
判断の分かれ目は、月30時間からの利用枠を使い切れるか、英語やSSOなどのオプションを含めた総額が要件に合うかです。無料トライアルでは認識精度の印象だけで終わらせず、会議開始から要約の確認、共有、削除までに残る作業時間を測ることをおすすめします。
Sources
[1] https://ai.yomel.co/gijiroku — YOMEL 公式サイト [2] https://ai.yomel.co/gijiroku/plan — 機能と価格プラン | YOMEL [3] https://support.ai.yomel.co/hc/ja/articles/18099665202969-%E3%82%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8F%96%E3%82%8A%E7%B5%84%E3%81%BF — セキュリティに関する取り組み | YOMEL [4] https://aisaas.pkshatech.com/yomel-by-pksha — YOMEL by PKSHA | PKSHA Technology