LINE WORKS AiNoteレビュー:人数無制限のAI議事録は組織導入に向くか
目次
AI議事録を部署へ広げようとすると、文字起こしの精度だけでは決められません。利用者が増えるたびに費用が膨らまないか、管理者が共有範囲や利用状況を把握できるか、いつものWeb会議をそのまま記録できるか。個人で便利なツールと、組織で運用しやすいツールでは見るべき点が変わります。
LINE WORKS AiNoteは、CLOVA Note βの知見を引き継いだAI議事録サービスです。会議の録音、文字起こし、話者分離(誰が話したかの自動区別)、AI要約、共有までを扱い、法人向けプランでは利用人数を無制限としています。[1][2][4]
本記事は2026年9月9日に確認したLINE WORKS公式情報に基づきます。料金や機能、トライアル条件は変わるため、契約前に本文の公式リンクから最新条件をご確認ください。
LINE WORKS AiNoteでできること
AiNoteは、会議中の録音だけでなく、手元にある音声ファイルのアップロードにも対応しています。公式案内ではm4a、mp3、wavなどを取り込み、文字起こしからノートを作成できると説明されています。[3]
Web会議はZoom、Microsoft Teams、Google Meet、LINE WORKS、Webexとの連携録音に対応しています。連携設定を行うと、会議側の参加者情報も取得し、発言者の整理に利用できます。[3][4]
主な機能は次のとおりです。
- 会議やアップロードした音声を文字起こしする[3]
- 複数の話者を分離し、発言者ごとに会話を確認する[3]
- 全体要約、主要トピック、区間ごとの要約を生成する[3]
- 要約された区間から元の文字起こしへ戻って確認する[3]
- Zoom、Teams、Google MeetなどのWeb会議を連携録音する[3][4]
- ノートを指定メンバーやリンクで共有し、パスワードを設定する[3]
- LINE WORKSのカレンダーやメールと連携する[3]
日本語のほか、英語、韓国語、中国語の簡体字・繁体字にも対応しています。[3][4] 100言語以上を掲げる海外製サービスと比べると対応範囲は絞られていますが、日本語中心で必要に応じて英中韓も扱うチームなら候補になります。
良い点
ここが強い
- 法人向けプランは利用人数が無制限で、月間の文字起こし時間を組織内で共有できる[2][4]
- 対面会議、Web会議、録音済みファイルを一つの環境で扱える[3]
- 要約から該当区間の文字起こしへ戻り、元の発言を確認できる[3]
- 管理者がメンバー、端末、利用権限、ノート、監査ログ(誰がいつ何を操作したかの記録)を管理できる[4]
- LINE WORKSを利用中なら、カレンダーと共有通知を既存の流れへ組み込みやすい[3]
特に注目したいのは、人数ではなく組織全体の利用時間で考えやすい料金体系です。会議を記録する担当者だけでなく、内容を確認するメンバーにもアカウントを配りたい場合、1席ごとの課金より予算を立てやすくなる可能性があります。
ただし、人数無制限だから利用量も無制限という意味ではありません。文字起こし時間とAI要約回数はプランごとに決まっています。[2][4] 導入前には利用者数より、「月に何時間の会議を記録し、何本を要約するか」を数える必要があります。
料金と利用枠
公式料金案内には、個人・小規模利用向けのフリーとソロ、法人向けのチーム、ビジネス、エンタープライズが掲載されています。[2]
| プラン | 月額料金 | 月間文字起こし | AI要約 | 利用人数 |
|---|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | 300分 | 利用不可 | 最大30人 |
| ソロ | 年契約1,440円/月、月契約1,600円/月 | 600分 | 月12回 | 無制限 |
| チーム | 年契約19,800円/月、月契約22,000円/月 | 6,000分 | 月120回 | 無制限 |
| ビジネス | 年契約54,000円/月、月契約60,000円/月 | 18,000分 | 月360回 | 無制限 |
| エンタープライズ | 年契約162,000円/月、月契約180,000円/月 | 60,000分 | 月1,200回 | 無制限 |
金額は公式ページの税抜表記です。[2] フリープランではAI要約とWeb会議録音を利用できず、文字起こし結果などのデータ保管期間は1年と案内されています。[2] 無料版だけで「会議の参加から要約まで」を評価することはできないため、精度確認と運用確認を分けて考えたほうがよいでしょう。
法人向けプランには30日間の無料トライアル(お試し期間)があり、有償プランと同等の機能を試せると案内されています。[2][4] すでにフリープランを利用している場合など、トライアルの適用条件は申込前に公式ページと管理画面で確認してください。
利用枠が足りない場合は、100分とAI要約2回を追加するオプションがあります。公式料金案内では、年契約への毎月追加が月360円、月契約への毎月追加が月400円、必要月だけの追加が440円で、いずれも税抜です。[2]
管理とセキュリティで確認したいこと
法人向けプランでは、管理者がメンバーと端末を一元管理し、利用者ごとに役割や機能権限を設定できます。ドメイン内のノートを検索・確認・削除でき、録音、編集、共有などの操作を監査ログで追跡する機能も案内されています。[4]
セキュリティ機能として、IPアドレス制限(接続できる通信元を限定する機能)、SAML(企業向けのログイン連携規格)によるシングルサインオン、監査ログ、自動削除ポリシーが紹介されています。自動削除は30日から1年の範囲で設定できるとされています。[4]
一方、スマートフォンアプリで録音した音声は、手動で削除しない限り端末内にも残ると公式FAQは説明しています。[4] クラウド側の保存期間だけを決めても、端末側に音声が残れば管理は完了しません。モバイル録音を許可する端末、紛失時の対応、会議後に端末内データを消す手順まで決めておく必要があります。
AI要約には、ユーザーデータを学習に利用しない設定のAPI(外部サービスと連携する窓口)を通じてOpenAIのモデルを使うと案内されています。[4] ただし、学習利用の有無だけで導入判断を終えず、処理されるデータ、委託先、保存地域、削除までの期間、管理者が閲覧できる範囲を契約書類でも照合してください。
注意点
ここは確認を
- フリープランではAI要約とWeb会議録音を試せない[2]
- 各プランには月間の文字起こし時間とAI要約回数の上限がある[2][4]
- 対応言語は日本語、英語、韓国語、中国語の簡体字・繁体字で、多言語が混在する会議は実音声で確認が必要[3][4]
- モバイル録音では端末内に音声が残るため、クラウドと端末の両方に削除ルールが要る[4]
- AI要約の決定事項、担当者、期限、数字は元の文字起こしと音声へ戻って確認する
公式ページでは独自評価による文字正解率や話者分離技術の実績が紹介されていますが、その数値だけで自社の会議における精度は判断できません。[2][3] 製品名、氏名、略語が多い会議、発言が重なる会議、会議室とオンライン参加者が混ざる会議では結果が変わります。
建設やIT・情報通信向けの業種特化型モデルも案内されています。[3][4] 対象業種であっても、実際に使う専門語を含む音声で、通常モデルとの差と修正時間を測るのが確実です。
向いているチーム
- LINE WORKSをすでに使い、会議予定と議事録の共有を同じ業務基盤へ寄せたいチーム
- 記録担当者だけでなく、閲覧者を含む多くのメンバーへアカウントを配りたい組織
- 対面、Web会議、録音済みファイルが混在しているチーム
- 監査ログ、SSO(シングルサインオン)、IPアドレス制限、保存期間などを管理者が統制したい組織
- 日本語を中心に、英語・韓国語・中国語の会議も扱うチーム
反対に、月数本の会議を一人で記録するだけなら、法人向けの共有時間を使い切れず、既存の会議サービスに含まれる要約機能や個人向けプランで足りる可能性があります。すでにTeamsやGoogle Meetへ業務を集約している組織も、新しい保存先を増やす価値があるか比較してください。
トライアルで測りたい4項目
30日間の法人向けトライアルを使うなら、きれいなデモ音声だけでなく、普段の会議を代表する3本を用意します。参加者には録音とAI処理を事前に説明し、機密性の低い会議から始めてください。
- 文字起こしの修正時間:固有名詞、数字、否定表現を直し、共有できる状態になるまで何分かかるか
- 話者の修正時間:対面とオンラインが混ざる会議で、誰の発言かを直す操作がどれだけ発生するか
- 要約の確認時間:決定事項、担当者、期限を確認し、根拠となる発言へ戻るまで何分かかるか
- 管理の手間:利用者追加、共有範囲、監査ログ、削除設定を管理者が迷わず操作できるか
料金試算では、1か月分の会議予定から合計時間と要約本数を数えます。たとえば閲覧者が100人いても、録音対象が月40時間、要約が月50本なら、人数より共有枠との適合を優先して判断できます。逆に少人数でも録音時間が長ければ、上位プランや追加オプションが必要です。
まとめ
LINE WORKS AiNoteは、日本語中心の会議を、対面・Web・音声ファイルから集め、組織内で管理したい場合に検討しやすいAI議事録サービスです。法人向けプランが人数無制限である点は、閲覧者まで広く参加させたい組織にとって分かりやすい強みです。
選定時は「何人で使うか」だけでなく、「月に何分録音するか」「何本を要約するか」「端末内の音声をどう消すか」まで確認してください。トライアルでは文字起こし精度の印象より、会議終了から確認・共有・削除までに残る作業時間を測ると、導入後の姿を判断しやすくなります。
Sources
[1] https://line-works.com/ainote — LINE WORKS AiNote [2] https://line-works.com/ainote/column/ainote-price — LINE WORKS AiNoteの料金プラン [3] https://line-works.com/ainote/column/about — LINE WORKS AiNoteとは [4] https://line-works.com/ainote/column/ainote-plan — LINE WORKS AiNote企業向けプラン