SlackハドルAI議事録レビュー:会話からアクションまでSlack内で完結するか
目次
Slackで相談を始めたはずが、話が終わるころには決定事項が口頭だけになっている。そんな小さな抜けは、予定表に入れた会議より、ハドル(Slack内でその場で始める音声会話)のような短い会話で起こりがちです。
SlackハドルのAI議事録は、ハドル中の会話とスレッド(メッセージへの返信をまとめる欄)内のメッセージから、要点やアクション項目をCanvas(Slack内の共有ドキュメント)へまとめる機能です。終了後の記録が元のチャンネル(話題別の会話場所)やDM(個人との1対1のやり取り)に残るため、別の議事録サービスへ移動せず、会話から共有までをSlack内でつなげられます。[1]
本記事は2026年9月13日に確認したSlack公式情報に基づきます。対応プランや管理設定は変わる可能性があるため、導入時は本文の公式リンクから最新条件をご確認ください。
ハドルのAI議事録で残るもの
ハドル内で「AI notes」を開始すると、Slackはリアルタイムの会話とハドルスレッドのメッセージを使って記録を作ります。ハドル終了後には、参加者、話し合ったトピック、要点、アクション項目などがCanvasとしてスレッドへ共有されます。[1]
チャンネル/DMでハドルを開始
↓
AI notesと文字起こしを開始
↓
会話+ハドルスレッドのメッセージ
↓
要点・アクション項目・参加者・文字起こし
↓
元のハドルスレッドにCanvasを共有
専用ツールへ音声をアップロードし、完成した議事録のURLをSlackへ貼り直す流れはありません。相談した場所に記録が戻るので、「どこに議事録があるか」を探す手間を減らしやすい設計です。
AIが記録中であることは参加者全員へ通知されます。開始後も、ハドルにいる人は誰でも文字起こしを停止・再開でき、記録そのものをキャンセルして削除できます。[1] 録音担当者だけが操作できる仕組みではないため、会議の冒頭で誰が開始し、誰が終了後に確認するかを決めておくと混乱を防げます。
良い点
ここが強い
- ハドルの会話から要点とアクション項目を自動で整理できる[1][3]
- 記録が元のチャンネルまたはDMのCanvasに残り、共有先を増やさずに済む[1]
- 文字起こしをCanvas内から確認し、要約の根拠へ戻れる[1][3]
- デスクトップだけでなく、iOSとAndroidからもAI議事録を開始できる[1][3]
- 特定チャンネルの全ハドルでAI議事録を自動開始する設定がある[1]
- Pro、Business+、Enterprise+の各有料プランでハドルノートを利用できる[2]
個人的に大きいと感じるのは、会議の記録とその後の会話が同じ場所に残ることです。アクション項目に不足があればスレッドで確認し、関連ファイルもその場へ追加できます。議事録を配って終わりではなく、次の仕事へ進む場所まで変えずに済みます。
特定のチャンネルでは、メンバーが「すべてのハドルでAI議事録を自動開始する」設定を有効にできます。管理者がこの変更を制限しているワークスペース(Slackの契約・利用のまとまり)では、オーナー(ワークスペースの最高管理者)または管理者への確認が必要です。[1] 障害対応や毎日の相談窓口など、記録を残すハドルが明確なチャンネルでは開始忘れを減らせます。
料金と利用条件
ハドルのAI議事録は有料プラン向けです。Slackの公式機能表では、Pro、Business+、Enterprise+のすべてに「Huddle notes」が含まれています。[1][2]
| プラン | ハドルのAI議事録 |
|---|---|
| Free | 対象外 |
| Pro | 利用可能 |
| Business+ | 利用可能 |
| Enterprise+ | 利用可能 |
Slack AIの検索回答、日次のRecap(1日のまとめ)、ファイル要約などはプランによって利用範囲が異なります。ハドルノートが使えることと、SlackのAI機能をすべて使えることは同じではありません。[2]
無料プランのハドル自体は2人まで、1回30分までです。有料プランでは複数人のグループハドルを時間制限なく利用できると公式ページは案内しています。[3] 契約を比較するときは、ハドルの人数・時間とAI議事録の有無を分けて確認してください。
席数(ユーザー数)と日本円の支払額は契約形態や請求条件で変わります。本記事では固定の月額を置かず、現在のワークスペースの請求画面とSlack公式料金ページで確認する前提にしています。
閲覧範囲は会議参加者だけではない
ここは確認を
- AI議事録のCanvasは、ハドル参加者だけでなく、開催元のチャンネルまたはDMにいる人が閲覧できる[1][3]
- Canvasはほかの会話へ共有できるため、共有操作と権限の確認が必要[1]
- 文字起こしはCanvas内に埋め込まれ、閲覧権限を持つ人が読める[1][3]
- 文字起こしの内容はSlackの検索結果には表示されない[1][3]
- 外部の参加者またはゲストを含むハドルではAI議事録を利用できない[1]
- AIが抽出した決定事項、担当者、期限、数字は文字起こしへ戻って確認する
「ハドルに参加していなければ見えない」と考えるのは危険です。公開チャンネルや参加人数の多いチャンネルでハドルを始めると、そのチャンネルまたはDMにいる人がAI議事録のCanvasを閲覧できます。[1] 人事、契約、顧客情報を扱う相談では、話し始める前に開催場所と参加メンバーを確認する必要があります。
外部企業とSlack Connect(社外の組織とチャンネルを共有する仕組み)で共有しているチャンネルや、ゲストを含むハドルではAI議事録を使えません。[1] 社外会議を含めて一つの議事録ツールへ集約したいチームにとっては、対象範囲が狭くなります。社内の短い相談はSlack、社外会議は別の仕組みという使い分けが現実的です。
セキュリティで確認できること
Slackは、AI機能で顧客データをLLM(大規模言語モデル:ChatGPTなどのAIの基盤)の学習に使わず、LLM提供者も顧客データへアクセスしないと説明しています。現在のLLMはSlackのAWS(Amazonのクラウド基盤)内にある仮想プライベートクラウド(外部から隔てられた専用領域)でホストされ、データはSlackの信頼境界の外へ送られないとしています。[4]
この説明は導入審査の材料になりますが、閲覧権限と保存期間の設計を省けるわけではありません。AI議事録には要約だけでなく文字起こしも含まれます。チャンネルに後から参加したメンバーがどこまで見られるか、Canvasを誰が別の会話へ共有できるか、退職者や外部協力者の権限をどう外すかを確認してください。
管理者は、プランと役割に応じてAI機能へのアクセスを制限できます。[2] 現場で利用を始める前に、AI議事録を許可するチャンネル、機密会議で停止する手順、自動開始を変更できる人を決めておくと安全です。
向いているチーム
- 社内の短い相談や作業打ち合わせをSlackハドルで行うことが多いチーム
- 議事録サービスを追加せず、記録とフォローアップをSlackへ集約したい組織
- ハドル終了後の要点とアクション項目を、同じチャンネルで確認したいチーム
- モバイルから参加するメンバーも含めて議事録運用をそろえたい組織
- 特定チャンネルのハドルを毎回記録し、開始忘れを減らしたいチーム
反対に、社外の参加者やゲストを含む会議が多い場合には主力の議事録手段にしにくい機能です。逐語記録(発言を一言一句そのまま残した記録)を広く検索したい場合も、文字起こしが検索結果に出ない点を確認する必要があります。
試すなら、15分の社内ハドルを一本通す
導入時は、機密性の低い社内相談を一つ選び、開始から共有までを通して確認します。
- 開始の通知:参加者全員がAI議事録の開始を認識できるか
- 要点の確認:決定事項と保留事項を取り違えていないか
- アクションの確認:担当者、期限、次の作業が元の発言と一致しているか
- 閲覧範囲の確認:ハドルに参加しなかったチャンネルメンバーから何が見えるか
- 停止と削除:機密性の高い話題へ移る前に停止し、不要な記録をキャンセルできるか
確認後は、Canvasを直して終わりにせず、アクション項目を一つ実行するところまで試してください。Slack内で議事録が完結しても、担当者と期限が曖昧なら会議後の仕事は進みません。
まとめ
SlackハドルのAI議事録は、社内の短い会話を要点とアクション項目に変え、元のチャンネルやDMへ戻す機能です。別サービスへの転記を減らせる一方、閲覧範囲はハドル参加者だけに限定されず、外部参加者やゲストを含むハドルでは利用できません。
まずは一つの社内チャンネルで試し、要約の見栄えより「元の発言へ戻れるか」「意図した人だけが読めるか」「次の仕事が動くか」を確かめるのが堅実です。自動開始を広げるのは、停止・削除・共有のルールが決まってからにしてください。
Sources
[1] https://slack.com/help/articles/31377193680019-Use-AI-to-take-huddle-notes-in-Slack — Use AI to take huddle notes in Slack [2] https://slack.com/help/articles/25076892548883-Guide-to-AI-features-in-Slack — Guide to AI features in Slack [3] https://slack.com/features/huddles — Slack Huddles [4] https://slack.com/features/ai — Slack AI Features